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アオリイカパラダイスプロジェクト2014

2014年05月19日
5月15日に三重県引本浦で開催された「アオリイカパラダイスプロジェクト2014」に参加してきました。

エギングを中心とするレンタルボート店・エヌテックマリンの中井敏秀さんが中心となって、釣具メーカーや釣りメディア、地元の漁協、役場と連携して、毎年この時期に続けている、アオリイカの産卵床設置プロジェクトです。
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紀北町役場の協力を得て、地元の山からウバメガシの枝を切り出し、これに土嚢を結び付けて、引本湾の一角にある海底に設置するという取り組みで、今回で6回目を迎えます。

産卵期を迎えたアオリイカは、根がしっかりとした海藻や漁具に卵を産み付けます。海中に沈められたウバメガシは、格好の産卵床となり、毎年多くの卵が産み付けられ、ふ化が確認されています。
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獲るばかりでは水産資源が枯渇する……。日本沿岸の水産資源を維持していくため、国や自治体レベルでは、これまで稚魚放流や魚礁を設置する事業が盛んに行われてきました。

田畑で農作物をつくることになぞらえて「つくり育てる漁業」や「栽培漁業」といわれ、昭和後期ごろから沿岸部の漁業基盤を支える重要な取り組みとして認識されています。
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しかし釣り人は、自然から恩恵を受けるばかりで、末永く釣りを楽しむために何かアクションを起こす、という観点がきわめて希薄でした。

「アオリイカパラダイスプロジェクト」の価値は、日頃アオリイカ釣りの恩恵にあずかる釣り事業者が主体となって、アオリイカを増やす取り組みを推進し、それに賛同する釣具メーカー、釣りメディア、漁協、役場が連携して前を向いている点でしょう。
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特に産卵床を設置してから周辺海域でのアオリイカの漁獲量が劇的に増えた実績があり、釣り人も漁師も喜びあえるウィンウィンの関係が築かれている点は、特筆すべきことでしょう。

和気あいあいとした雰囲気の中、アオリイカが増えることを願って8本のウバメガシの枝が沈められました。私も釣りのメディアに関わる者として、何ができるのかを考えさせられる1日となりました。

最近の仕事から

2014年05月13日
少し前になりますが、内外出版社の『アユ釣りマガジン2014』が届きました。

昨年9月、静岡県狩野川で三嶋英明さんを撮影させていただいた模様が、巻頭特集のトップとなり、写真と記事を担当しました。
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狩野川といえば、アユの友釣りが発祥した川といわれる東日本の超人気河川。1本20、30万円もするアユ竿が日常的に林立しているようなプレッシャーの高い河川です。

当然、ウブなアユは早々に釣り上げられ、残っているのは、警戒心の強いスレッカラシのアユということになります。そんな難敵を相手にしながら腕を磨いてきたのが三嶋さんです。聞けば、小学生のころから夏は毎日のように狩野川でアユ釣りをしてきたとか。

昨年の8月ごろから取材を申し込んでいたのですが、9月に入って開催されたジャパンカップで優勝され、折しも「時の人」を取材させていただくという幸運に恵まれました。

近年のアユ釣りトーナメントでは、オトリの動きを釣り人の意図した通りにコントロールするテンション系の釣りが主流ですが、三嶋さんが狩野川で鍛え上げたのは、オトリの泳ぎそのものを最大限に活かす泳がせ釣りです。

その勘所を根掘り葉掘りおうかがいして、まとめています。
アユ釣りをされる方は、ぜひご覧下さい!

和歌山県の有田川や日高川では、早くも解禁を迎え、まずまずの釣果が出ているようです。僕は盛夏から秋にかけての型のいいアユを狙うのが好きなので、そのころに1回でも多く行けるように、楽しみをとっておきたいと思います。

水の上にも三年

2014年05月10日
サーフェースを設立したのが、3年前の今日でした。

40歳を前にして、自分が生きる道は自分で切り拓きたいという思いを胸に、少ない元手を頼りに公証役場や法務局に何度も足を運んで、ようやく設立にこぎつけたのが、3年前の今日でした。

気のいい嫁さんと幼い娘が二人、家のローンもかかえて、本当にやっていけるのか。設立間もない頃は、崖っぷちからかかとが半分出ている状態が続いて、金銭的にも精神的にもきつい状態が続きました。

いまも状況は大きくは改善していませんが、かかとが出るほど悲惨な状態ではなくなったのと、苦しくても前を向いてがんばっていれば、いずれは何とかなるものだと自然と思えるようになったので、だいぶ気持ちに余裕が出てきました。
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気心の知れた釣り人とタッグを組み、釣りのREALを撮るために苦戦してきた3年でした。他社から請け負った仕事で少し資金ができたら、自社DVDのためのロケに行き、失敗撮影を繰り返しながら、何とか映像素材を撮りため、これまで7アイテムのDVDを世におくりだすことができました。

わがままな私とタッグを組まされ、失敗撮影の連続にへきえきしながらも、根気よく協力してくれた出演者の皆さん、本当にありがとうございます。

釣り人が竿を握る陸上の世界と、魚たちが潜む水中の世界。二つの世界を隔てる水面を行き来しながら、釣り人が本当に知りたいREALを追いかける。これからも釣り人と魚をつなげるメディアを創るべく、邁進していきたいと思います。

最近の仕事から

2014年05月09日
少し前になりますが、地球丸社の『でかイカマガジン2014』が届きました。

巻頭カラーページの記事を担当させていただき、記事用のタイトル写真として撮ったアオリイカの水面写真が表紙にも採用されました。
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このイカ、深夜12時過ぎに釣れたもので、そのときに海に入って撮影しました。夜の撮影は陸上でも難しいのですが、夜の水中撮影はさらに難易度が上がります。

きっちり頭まで潜ってファインダーをのぞき、「いまだっ!」という瞬間にシャッターを切るのがカメラマンのカメラマンたるゆえんです。このカットだけを撮ればいいのなら、当然それなりの準備をしてフル装備で挑みますが、雑誌の撮影では、いろんなカットを撮る中でのワンカットに過ぎません。おまけに記事も書かなければいけないので、常にICレコーダーも構えて釣り人から話を聞きながら撮影するという二役ぶりです。そんなこんなで、今回は簡易的な方法で撮影しました。

ドライスーツの浮力を利用して海面に浮かびながら、両手でカメラを突っ込んで、口に水中ライトをくわえて光をイカに当て、オートフォーカスが効くようにしてから勘で構図を決めて撮りまくるというやり方です。いわゆる、ヘタな鉄砲も数撃ちゃ当たる作戦です。勘で100枚以上撮って、あとでよさそうなものを選びました。なんだか一抹の寂しさを感じる撮影方法ですが仕方ありません。

深夜に水中写真を撮るなんて、だれからも依頼されていませんし、ギャランティーも変わらないので、無理してトライする必要はありません。しかし、私は日頃からチャンスがあれば、できるだけ撮るようにしています。

私の水中写真は、基本的にストロボを使って釣魚を撮ることが多いのですが、シャッタースピードや絞りの設定、光の当て方や光量、被写体や水面に対するカメラの向け方、背景とのバランス、ウロコの反射、透明度、波や体を固定できないことによるカメラブレ、泳いでいる魚を撮ることによる被写体ブレなど、考慮すべき事柄が、そのときどきでたくさんあります。

それらひとつひとつを見極める精度を高めないと、完成度の高い写真は撮れないのですが、常日頃から撮っていないと、勘が鈍ってしまって、いざ大事な場面を迎えたときに失敗しやすからです。それに、カメラの設定も大事ですが、自分の体を水に慣れさせていることも撮影と同等に大事です。

メーカーから広告撮影を請け負ったときは、失敗は許されないので、日頃からどれだけ撮っているかが精神的にも技術的にも大きな支えになります。

深夜12時を回って水中撮影を試みたのは、撮影の経験値を上げ、勘を鈍らせないようにする意味合いが大きかったのです。