トップ > 2013年5月の記事

魚がスレる。その意味がヘラ管理池REALから見えてくる

2013年05月27日
山口要さんと永易啓裕さんとタッグを組んで、ヘラ釣りの水中模様を調べたDVD『ヘラ管理池REAL』が、6月5日に発売されます。ウキに鋭いアタリが出て、ヨシッ! と思ってアワセを入れたのに、空アワセ。そのようなことを「カラツン」といいます。

カラツンを減らすことは、ヘラ釣り師の永遠の命題。カラツンが出たときに、水の中で何が起こっているのかを徹底して調べ上げたのが、このDVDです。

管理池という常に釣り人のプレッシャーにさらされている場所で、ヘラたちはどんな行動を取りながらエサを食っているのか。釣り人がいくら豊かな想像力を働かせたとしても、そこは見てみないと分かりません。

『ヘラ管理池REAL』では、ヘラの捕食シーンを数多くとらえることができました。これまで釣り人が当たり前のように思ってきたことを覆すようなリアルや 新発見が随所にあり、かなり刺激的です! 出演者のお二人も、ご自分の水中映像を見て、思っていたことと現実との違いに「ショッキング」「衝撃的」という 言葉をインプレッションの中で連発されています。

yamaguchi_impre
このDVDは、熱心なヘラ釣り師に向けて作ったものですが、撮影した映像を整理していくと、ウキ釣りをする人なら、釣りのジャンルを問わず見てほしいと思 うようになりました。その理由は、魚がハリやハリスといった危険な異物が付いたエサを食うとき、どのような警戒行動をとりながらエサを食っているかが明確 に理解できるからです。

例えば、連日釣り人でにぎわう超A級磯のグレ釣り。グレは、マキエは次々と拾うのにサシエだけ見事に無視することがたびたびあります。また、ウキにアタリ が出ていないのに、いつの間にかサシエがぐしゃりと潰されていることも少なくありません。歯がゆい思いをしながらも、水の中での捕食実態を確かめる手段は ありませんでした。

いずれ、グレフカセ釣りREALシリーズで捕食についてさらに詳しく調べていくつもりですが、ヘラ管理池REALからも連想できることが数多くあり、非常に参考になります。

魚がスレるとは、どういうことなのか。そのスレた魚がエサを食うときにどんな行動を取っているのか。それに対処するにはどうすればいいのか。ヘラ管理池 REALの映像は、新しい攻略パターンを試行錯誤する”呼び水”の役目を果たすに違いありません。ぜひ様々なジャンルのウキ釣り師にご覧いただければと思 います。

ヘラが釣り人にアワセを入れさせている

2013年05月19日
『ヘラ管理池REAL』の制作が大詰めを迎え、毎日奮闘しています。釣り人、ウキ、仕掛けを連動させて撮影した膨大なデータを重ね合わせ、見るべきところ を精査し、水中で繰り広げられているREALを、できるだけ簡潔に、分かりやすく伝えられるように編集作業を進めています。

スローモーション、ストップモーション、リプレイなどを多用すれば、トップが一節入るだけのわずかなアタリから、驚くべきREALが見えてきます。0.5 秒にも満たない一瞬の出来事が、(釣り人が)釣るか、(ヘラが)釣られないかを決めているということを、まざまざと知ることができます。そんな一瞬を凝縮 したのが、このDVDです。カラツンの実態をこれほど緻密に伝える映像は、おそらくほかにありません。

GureFukaseRea
それにしても、舌を巻くのは、ヘラたちの巧みなハリ掛かり回避術です。ハリス0.5号、ハリ4号という繊細な仕掛けを、ものの見事に見切っていました。ヘラたちは「これは危険なもの」ということを、完全に理解しています。

ヘラにも、神経質なタイプと、鈍くさいタイプがいて、口に古傷のある用心深さがズバ抜けたヘラもいました。この古傷のヘラは用心深いくせに、大胆でもあり、ほかのヘラが警戒してダンゴに近付こうとしないときも果敢に接近してきます。

HeraKuchiKizu
で、じ?っとダンゴを観察して、ヤツなりにダンゴの攻略法(食い方)を分析したうえで、タイミングを見計らってサッと近寄って、瞬間的にダンゴをかんでハリだけを吐き出すという、手品のような芸当の持ち主でした。

少しIQの高いヘラの常套手段は、ハリ掛かりしにくい体勢でダンゴを吸い込んで、釣り人が空アワセを入れてから、抜け落ちたダンゴを悠々と食う、というも のです。ヘラなりのダンゴ攻略テクを駆使して、釣り人にアワセを入れさせてダンゴを食っている、そんなイメージです。なんだか、立場が逆転していません?

『ヘラ管理池REAL』を6月5日に発売します

2013年05月15日
ヘラ釣りの水中映像を主体にカラツンの実態を追跡したバイブルDVD『ヘラ管理池REAL』を6月5日に発売します。当ホームページにてプロモーション映像を公開していますので、ぜひご覧ください。

とらえた! チヌがサシエを食う瞬間

2013年05月06日
『チヌ紀州釣りREAL』のロケ地、和歌山県湯浅の磯に行ってきました。昨年の夏、紀州釣りの名手、永易啓裕さんとともに、この地で何度もロケを行い、ダ ンゴの崩壊過程やサシエの動き、ダンゴの周りに集まるチヌ、ボラ、アイゴなどの動きを水中実況中継をまじえて詳細に追いかけました。

その内容をまとめた『チヌ紀州釣りREAL』は、海の中で起こっている多様な出来事をありのままに伝え、実際の釣りで水中の様子をイメージするときに、よりどころとなる情報を濃密に紹介した、唯一無二のDVDだと自負しています。

yuasa
ただ一つ、心残りだったのは、チヌがサシエを食った瞬間をきっちりととらえきれなかったこと。誰もが普通に釣りをする場所で、ありのままの捕食行動をとら える。言葉にすれば簡単ですが、いざ撮影するとなると、カメラの設置方法や、撮影範囲とチヌが食う場所を一致させなければいけないこと、魚の活性、透明度 など、いくつもの条件をクリアしなければいけません。

捕食の瞬間は、乗っ込み期に再トライしましょう。そんな言葉をかわして春を待ちました。

chinu_hit
そして今回、ようやく大きな目標を達成することができました。映像には、チヌがサシエを食ってかみ砕く瞬間、ハリという異物を感じて頭を振りながらしきり に口を動かすところ、その場から逃れようと泳ぎ去るシーン(上写真の上側のチヌ)、そして、永易さんがアワセを入れてやり取りのあと取り込むまで、水中と 陸上の一連の動きを完全連動させてとらえることができました。

nagayasu_chinu
この日、永易さんが釣ったチヌは3尾。そのうち捕食シーンがきっちり撮れていたのは1尾分のみ。たかが1尾、されど1尾。永易さんと私にとっては、ようや くたどり着いた最高の1尾です。私はまったく釣りをしていないのに、年無しを釣ったときのように心が満たされています。竿ではなく、カメラを通して、釣り を楽しんでいるような心地いい感覚です。

わきグレの不思議

2013年05月02日
名礁と呼ばれる沖磯でグレ釣りをしていると、海面近くにグレがわいている光景をよく目にします。「わきグレ」とか「浮きグレ」と呼んでいますが、型のいいグレが大挙して接近してくると、釣り人の心情的には思わず仕掛けを投げ入れて狙いたくなるものです。

でも、食わない。グレはそこら中に見えているのに不思議と無反応です。グレ釣りのベテランの間では、わきグレがオキアミをあまり食わないことはよく知られ ていて、沖に大群が見えても、あえて狙わない人が多いようです。しかし、わきグレの下には「サシエを食うグレもおる」らしく、狙うとすれば、ちょっとウキ 下を深めにして、下に沈んでいるグレを食わせるようにするのが攻略法です。

ukigure_maru
ところで、そのわきグレ、何のために海面にわいているのでしょう。グレは非常に臆病な魚で、マキエに群がって大胆に海面近くまで浮上しても、カモメが水面 に飛来すると一瞬で沈んでしまうほど警戒心が強いものです。岩穴や磯のオーバーハングなど隠れる場所がすぐ近くにある磯周りで生活しているグレにとって、 海面に浮上することは、大きなリスクがあるはずですが、そのリスクを背負ってでも浮き上がるのは、よほどの理由があるに違いありません。

グレが浮くのは産卵行動の一つ…という説もあると聞きますが、浮きグレの様子をよく観察してみると、どうも違う気がしてなりません。なぜなら、望遠レンズ でグレの姿をとらえると、大口を開けて、ずっとパクパクしているのです。その姿は、産卵行動というよりも、おいしいものを一心不乱にむさぼり食っていると いう感じです。

わきグレは潮と潮がぶつかり合う潮目でよく浮いていることも気になります。そこには何かおいしいものがあって、パクパクできるのでは……。

ami
海に潜っていると、大きな濁りの塊と出くわすことがよくあります。潮の中に薄いベージュのカーテンを引いたように濁りの塊があり、それが流れに乗って移動 していくのです。目を凝らしてよ?く見ると、アミ類が塊になっていることが分かります。サビキ釣りで重宝する、あのアミエビの仲間です。

オキアミは南極で獲られたものですが、アミエビは三陸沖が主な産地。東日本大震災で漁業が壊滅的なダメージを受けたのを機に国産が激減し、外国産のアミエビが大量に出回るようになりましたが、日本近海にはアミ類がたくさんいます。

わきグレたちは潮目でパクパクしながら、流され集まってくるアミ類を喜々として飽食している。だから、オキアミには見向きもしない。そんな推理をしている のですが、いかがでしょうか? 水面にごちそうがあるのなら、グレと同じようにアミエビが大好物のイサギも”わきイサギ”となって水面で群れていてもおか しくないはずですが、そのような話は聞きません。いずれ、わきグレのREALも確かめてみたいと思っています。