トップ > ブログ 潜入 >  最近の仕事から

最近の仕事から

2014年05月09日
少し前になりますが、地球丸社の『でかイカマガジン2014』が届きました。

巻頭カラーページの記事を担当させていただき、記事用のタイトル写真として撮ったアオリイカの水面写真が表紙にも採用されました。
1405091
このイカ、深夜12時過ぎに釣れたもので、そのときに海に入って撮影しました。夜の撮影は陸上でも難しいのですが、夜の水中撮影はさらに難易度が上がります。

きっちり頭まで潜ってファインダーをのぞき、「いまだっ!」という瞬間にシャッターを切るのがカメラマンのカメラマンたるゆえんです。このカットだけを撮ればいいのなら、当然それなりの準備をしてフル装備で挑みますが、雑誌の撮影では、いろんなカットを撮る中でのワンカットに過ぎません。おまけに記事も書かなければいけないので、常にICレコーダーも構えて釣り人から話を聞きながら撮影するという二役ぶりです。そんなこんなで、今回は簡易的な方法で撮影しました。

ドライスーツの浮力を利用して海面に浮かびながら、両手でカメラを突っ込んで、口に水中ライトをくわえて光をイカに当て、オートフォーカスが効くようにしてから勘で構図を決めて撮りまくるというやり方です。いわゆる、ヘタな鉄砲も数撃ちゃ当たる作戦です。勘で100枚以上撮って、あとでよさそうなものを選びました。なんだか一抹の寂しさを感じる撮影方法ですが仕方ありません。

深夜に水中写真を撮るなんて、だれからも依頼されていませんし、ギャランティーも変わらないので、無理してトライする必要はありません。しかし、私は日頃からチャンスがあれば、できるだけ撮るようにしています。

私の水中写真は、基本的にストロボを使って釣魚を撮ることが多いのですが、シャッタースピードや絞りの設定、光の当て方や光量、被写体や水面に対するカメラの向け方、背景とのバランス、ウロコの反射、透明度、波や体を固定できないことによるカメラブレ、泳いでいる魚を撮ることによる被写体ブレなど、考慮すべき事柄が、そのときどきでたくさんあります。

それらひとつひとつを見極める精度を高めないと、完成度の高い写真は撮れないのですが、常日頃から撮っていないと、勘が鈍ってしまって、いざ大事な場面を迎えたときに失敗しやすからです。それに、カメラの設定も大事ですが、自分の体を水に慣れさせていることも撮影と同等に大事です。

メーカーから広告撮影を請け負ったときは、失敗は許されないので、日頃からどれだけ撮っているかが精神的にも技術的にも大きな支えになります。

深夜12時を回って水中撮影を試みたのは、撮影の経験値を上げ、勘を鈍らせないようにする意味合いが大きかったのです。