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チヌの世界へ

2014年04月10日
今週は春らしい絶好の釣り日和が続きます。いまを逃してはなるまいと、チヌとグレの世界に潜入してきました。今日は、まずチヌの話から。

三重県某所にあるカキイカダでかかり釣りの撮影を続けています。三重県は入り組んだ海岸線がつくる波静かな湾内を利用してカキの養殖業が盛んに行われています。

大きなイカダにはホタテ貝の貝殻を等間隔に取り付けたロープが何百本もつるされ、カキの種苗が植え付けられています。いわば海中に設置されたカキの集合住宅です。カキと一緒にカニやゴカイなどもたくさん生息していて、魚にとっては格好の食事場。身を隠せる安全エリアでもあることから、チヌのほか様々な魚が生息しています。
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カキイカダの海中はどうなっているのか、その周りにいるチヌやほかの魚たちの営みを見てみたい、そして、魚たちは釣り人が投じたエサに対してどんな反応をしているのか。釣り人の想像をかき立て、実釣で役立つ映像を撮るべく、悪戦苦闘しています。

今回、カキイカダの下に潜入してきましたが、空は晴れているのに風が強く、海中はかなり濁り気味でした。水深8mの海底には泥が堆積し、足ヒレをばたつかせると周りが濁って自分がどっちを向いているかも分からなくなります。

かかり釣りの撮影で潜り始めた当初は、この濁りにすごく悩まされ、恐怖との戦いでした。海底に立っているのに自分のお腹から下が見えない、右を向いても左を向いてもただただ濁り。ちょっとでも移動すると、元いた場所に戻れない。そんな感じの場所もありました。
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海中では、コンパスで常に自分が向いている方向を確認し、移動は最小範囲にとどめて、濁りを起こさないように細心の注意を払いながら行動しています。

それにしても、こんな透明度のよくない海で、海中土木の潜水士でもないのに粋狂な仕事をしているよなと、我ながらおかしくなります。それと同時に、この条件で水中映像を撮ろうとすることの難しさも痛切に感じ、途方に暮れます。
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相手は野生のチヌ。甘くありません。しかし、釣りのリアルを知るには、これしか方法がありません。苦しみながらも、やり甲斐と楽しさを感じています。

今回は冬場にあたためてきたアイデアを試すテスト的な撮影でしたが、あまりしっかりとした手応えはつかめませんでした。やはり机上のアイデアは、得てして空論でしかありません。「現場で試してナンボ」は、釣りも撮影も同じです。

徐々に精度を高めていって、チヌとの距離を縮めていきたいと思っています。