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わきグレの不思議

2013年05月02日
名礁と呼ばれる沖磯でグレ釣りをしていると、海面近くにグレがわいている光景をよく目にします。「わきグレ」とか「浮きグレ」と呼んでいますが、型のいいグレが大挙して接近してくると、釣り人の心情的には思わず仕掛けを投げ入れて狙いたくなるものです。

でも、食わない。グレはそこら中に見えているのに不思議と無反応です。グレ釣りのベテランの間では、わきグレがオキアミをあまり食わないことはよく知られ ていて、沖に大群が見えても、あえて狙わない人が多いようです。しかし、わきグレの下には「サシエを食うグレもおる」らしく、狙うとすれば、ちょっとウキ 下を深めにして、下に沈んでいるグレを食わせるようにするのが攻略法です。

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ところで、そのわきグレ、何のために海面にわいているのでしょう。グレは非常に臆病な魚で、マキエに群がって大胆に海面近くまで浮上しても、カモメが水面 に飛来すると一瞬で沈んでしまうほど警戒心が強いものです。岩穴や磯のオーバーハングなど隠れる場所がすぐ近くにある磯周りで生活しているグレにとって、 海面に浮上することは、大きなリスクがあるはずですが、そのリスクを背負ってでも浮き上がるのは、よほどの理由があるに違いありません。

グレが浮くのは産卵行動の一つ…という説もあると聞きますが、浮きグレの様子をよく観察してみると、どうも違う気がしてなりません。なぜなら、望遠レンズ でグレの姿をとらえると、大口を開けて、ずっとパクパクしているのです。その姿は、産卵行動というよりも、おいしいものを一心不乱にむさぼり食っていると いう感じです。

わきグレは潮と潮がぶつかり合う潮目でよく浮いていることも気になります。そこには何かおいしいものがあって、パクパクできるのでは……。

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海に潜っていると、大きな濁りの塊と出くわすことがよくあります。潮の中に薄いベージュのカーテンを引いたように濁りの塊があり、それが流れに乗って移動 していくのです。目を凝らしてよ?く見ると、アミ類が塊になっていることが分かります。サビキ釣りで重宝する、あのアミエビの仲間です。

オキアミは南極で獲られたものですが、アミエビは三陸沖が主な産地。東日本大震災で漁業が壊滅的なダメージを受けたのを機に国産が激減し、外国産のアミエビが大量に出回るようになりましたが、日本近海にはアミ類がたくさんいます。

わきグレたちは潮目でパクパクしながら、流され集まってくるアミ類を喜々として飽食している。だから、オキアミには見向きもしない。そんな推理をしている のですが、いかがでしょうか? 水面にごちそうがあるのなら、グレと同じようにアミエビが大好物のイサギも”わきイサギ”となって水面で群れていてもおか しくないはずですが、そのような話は聞きません。いずれ、わきグレのREALも確かめてみたいと思っています。